四国はどこまで入れ換え可能か


2005年11月刊  著者:佐藤 雅彦  出版社:新潮文庫  \619(税込)  222P


四国はどこまで入れ換え可能か (新潮文庫)


のんのんさんのブログで紹介されているのを見かけ、さっそく図書館に予約しました。
頭の固さを柔らかくしてくれる、との推薦文でしたので、いろいろな発想法を議論している本かなー、と楽しみにしていました。


入着連絡メールが来て図書館に行ったところ、係員からクレームのお言葉をたまわりました。
「当図書館は、コミックの購入希望は受け付けませんので、今後ご注意ください」


はぁ?
開いてみると、新潮文庫なのに、な、なんと!
コミックなんですね。


これじゃ、中を開けてみるまでコミックとは気づきませんよー。係の人も、気づかないから買っちゃったんでしょ? ……という反論は、グッと飲み込みました。
まあ、いいや。もう買ってもらったんだから。


内容は、期待以上。
コミックですから、小難しい議論なんかしていません。一つひとつが、頭を柔らかくする実例の集まりです。
クスクスッ。ハハハ。の連続。
残念なことに、あっという間に読み終わってしまいました。


本書は、もともとアニメーションとして制作され、2001年にso-netで配信されていたそうです。土日を除き、毎日ネタを考えるのは大変だったでしょうねぇ。
合計124本の新作アニメの絵コンテを元にして『ねっとのおやつ』という題名で2002年にコミック集を出版した著者ですが、「ゆるくてかわいいもの」という評判を不本意に感じ、文庫化にあたってタイトルを『四国はどこまで……』に変えました。この作品の「きちんとした滅茶苦茶さが、この本を象徴しているのではないか」と考えたそうです。


尚、著者の佐藤雅彦氏は、あの『だんご3兄弟』の作者でもあります。
マンガ一筋という作家ではなく、電通をスピンアウトして企画会社を設立しました。99年から慶應義塾大学の教授をしています。
2000年には、まだ大臣になる前の竹中平蔵氏との共著『経済ってそういうことだったのか会議』なんていう、難しいことをやさしく解説するまじめな本も出版しています。(私もお世話になりました)


佐藤氏は『だんご3兄弟』の後もNHK教育テレビの仕事が続いているようで、この本に載っている「フレーミー」というフレームだけでできた犬は、『ピタゴラスイッチ』という番組に出てきますね。『ピタゴラスイッチ』は研究室の活動として参画しているそうですから、あの複雑な“からくり”を作っているのも佐藤研究室でしょうか。
私も4歳の娘といっしょに見てますよー。