グリーン車に乗ってワシも考えた


子育てのため、めったにコンサートに行けないカミさんが待ちに待った、今日は横浜の「みなとみらいホール」に出かける日。
4歳の娘はまだ一人でお留守番ができません。私が子守り役です。会社はお休みできませんので、自宅と職場の中間にある横浜駅で待ち合わせし、バトンタッチすることにしました。


7時から始まるコンサートに間に合うよう6時半に待ち合わせし、職場を定時退社。予定の時間にドッキングでき、娘といっしょに「行ってらっしゃーい」とママに手をふって、「さあ、おうちに帰ろうか」と帰途につきました。
こんな時間に小さい子どもを連れて人ごみを歩くのは初めてです。ふだん利用している東海道線はギューギューの満員電車ですから、少しでもすいている横須賀線の一番後ろの車両に行ってみました。


だめだ、こりゃ!


こんなに混んでいると、娘が「苦しいよー」と騒ぎだすに違いありません。
しかたがない。グリーン車に乗ろう!
イカにグリーン券を登録できる、と聞いたことがありますが、実際に試すのは初めてです。ホームのグリーン券売機にスイカを差し込んで……。ふーん、こうやるんだー。


いざ乗ってみるとグリーン車もけっこう混んでいましたが、なんとか一番前の通路側の席に座ることができました。
車内はとても静かで、車窓の夜景を見ながら娘との話もはずみます。普通車両に乗ったら悲惨な20分間になったはずですので、ちょっとした“特権階級”気分を味わいました。


いいなぁ。毎日こんなに静かな環境で通勤できたら、きっと自分がエラくなった気がするかもしれないなぁ。
そういえば、今朝の朝日新聞天声人語に、ホリエモン六本木ヒルズに入居したのは「東京タワーを見下ろせる唯一の場所だから」と書いてありました。
   「この絶景を毎日見られることを想像してみてほしい。地上をこの手
   で握りしめたような気になる。そして、ふつふつと熱いものがこみ上
   げてくる。『絶対に天下を取るぞ』と」(『プロ野球買います!』あ・
   うん)


自己投資と思ってグリーン車に乗ろう、と何かの自己啓発書で読んだことがあります。単に静かな時間を持つというメリットだけでなく、一つ上を目指すには庶民と違う気分を味わうことも必要という意味も込められているのでしょう。
でも、やっぱり私はやめておこうと思います。庶民感覚を失う、ということは、何か人間として大切なものを失うことになるような気がするのです。高齢になって、本当に満員電車がキツくなったら考えることにしましょう。
私はまだまだ、若いし、なんてったって、本物のド庶民なんですから(笑)。