浅田次郎氏の講演会に参加しました。


12月14日に浅田次郎氏の講演会があり、にわか浅田ファンになった私も勇んで参加してきました。


小説家の講演会というと、四半世紀前に司馬遼太郎の講演会を聞いて以来です。浅田氏も原稿用紙のマス目をコツコツと埋めるのが本業ですから、きっと司馬遼太郎と同じようにボソボソっと話すのだろう、と予想していたのですが、大はずれ。滑らかに話を展開し、笑いのツボも心得ています。


この日のテーマは「歴史に学ぶ人の育て方」。
江戸時代の寺子屋教育がどのように行われていたか、ということから説き起こし、儒教五常(仁・義・礼・智・信)のうち、現代社会は特に「仁」と「義」が失われているのではないか。民主主義の現代だからこそ、一人ひとりが「仁」と「義」を大切にしていきたい、と語っていただきました。


最後に、講演会の締めくくりにいつも紹介している、と教えてくれたのが孔子の次の言葉です。
  自ら省みて直からずんば、褐寛博といえども吾往かざらん。
  自ら省みて直ければ、千万人といえども吾往かん。


「褐寛博」は「かつかんぱく」と読み、あらい布でこしらえただぶだぶの服のこと、転じて賤者(いやしい人)を指します。
胸に手を当てて恥じることがなければ、相手が千万人いても向かっていく、という意味だそうです。