副題:なぜ、あなたの企画は通らないのか?
2005年7月刊 著者:稲嶺 成吾 出版社:シーエムシー出版 \1,890(税込) 173P
本書は、技術者も経営的視点を持て、それが自分のやりたい仕事をする近道だ。ということを丁寧に教えてくれる本です。
エンジニアというのは、技術にばかりこだわって経営的視点を持っていない人種です。……いや、私が言ったのではなく、著者がそう挑発しているのです。
「まえがき」には、
意欲あるエンジニアのあなただけに読んでほしい。
自分の境遇を何とかしてやろうという意欲が少しもない人には、
何の役にも立たない本だからだ。
さて、あなたはそれでもページをめくりますか?
と更に挑発しています。
じゃ、読んでやろうか、とページをめくると、著者が実は落ちこぼれエンジニアだったことが告白され、ちょっと肩すかしをくらいます。
入社したてで担当したデータとりが実にヘタ。次に回路を作るハンダ付けをやったのですが、イモハンダといわれる典型的な不合格品。ソフト開発に逃げ込んだら、外注のエンジニアに「センスのないヤツは、いつまでたっても上手になれない」と引導を渡される始末です。
エンジニアというのは、自分より技術が劣る人には単純に優越感を持つ人種ですから(これは私の意見です)、この肩すかしはナイスですね。
読者の心の準備ができたところで、著者は、マーケティング手法を技術者向けにやさしくやさしく解説します。
経営側に対してアピールしなければならない4つのポイント、決裁者をノセるテクニック、決裁者に決断させる説明者の態度などなど。
読み終わるころには、技術者のモヤモヤがすっきりし、やる気がみなぎってきます。
技術者のみなさん、ドリンク剤1本より元気になりますよ。