たった30日で鬼妻が仏妻に変わる!


副題:コケにされ続けた夫の奮闘記&成功法則
2005年6月刊  著者:高田 勝弘  出版社:宝島社  \1,260(税込)  185P


たった30日で鬼妻が仏妻に変わる!


あるセミナーで隣り合わせになったオジサンが本を出していると聞きました。その場で購入させていただき、著者本人にサインしてもらったのが本書です。(5月30日のブログ参照)
その後2ヶ月も本棚に置きっぱなしになってしまいました。なにしろ、図書館に予約した本が毎週5〜10冊手に入るので、返却期限のある本を優先した結果、自分で買った本を読むのは後回しになってしまうのです。


やっと手にして一気に読み終わりましたが、それにしても恐ろしいタイトルです。本棚に後ろ向きに入れておいたのに、カミさんに見つけられて「わたしゃ鬼妻か!」と問い詰められたのも、このタイトルのせいです。
本書によると、著者の夫婦関係は、大変良好です。

   昨日も夜中の2時に、
   「てめえ、イビキがうるさいんだよっ」
     と言われて、妻に殴る蹴るの暴行を受け(中略)安心してください、
   殴る蹴るの暴行を働いたあとでも、次の日の朝には何事もなかったかの
   ように、妻は、ニコニコと私の作った朝食を食べていました。
    妻はなにごとにもこだわらない良い人です。

ねっ、ほほ笑ましいでしょ(笑)。
本書は、こんな嫁さんとの生活を素晴らしいものに変えるために、古今東西の先哲の知恵を借り、いろいろな方法を提案しています。デール・カーネギー著『人を動かす』のような定番ものから、精神分析分野では岸田秀の『ものぐさ精神分析』やフロイトの『精神分析入門』まで。ちょっと変わったところでは、
   生きてるだけで丸儲け By 明石家さんま
なんていうのもいいですねぇ。


でも、最後まで読んでみると、著者の奥さんはちっとも鬼妻でないことが明かされます。貯金0円で結婚した著者が鍼灸指圧の専門学校を卒業するまでの3年間、妻の給料はほとんど学費に消えました。その額は合計500万円。卒業後1年で治療院を開業し、今にいたるのも妻の協力のおかげです。
ですから著者は「誰のおかげで食わしてもらっていると思っているんだ!」なんて口が裂けても言えません。妻の機嫌が悪いときに「誰のおかげで仕事させてもらっていると思っているんだ!」と言われても、仕方ないのです。


著者は本書を執筆しながら夫婦円満を取り戻し、いまでは同じタイトルのメルマガで様々な人生相談を受けるようになりました。相談者への回答には必ず古今東西の賢哲の格言を贈っていますから、信頼度も高いのでしょう。読んでいるだけで幸せな気持ちになれるメルマガです。一度ご覧になってはいかがでしょうか。