1億稼ぐ!メールマガジン私の方法


副題:銀行口座380円が2億円になった理由
2005年5月刊  著者:石田 健  出版社:祥伝社   \1,470(税込)  219P


1億稼ぐ! メールマガジン私の方法 銀行口座380円が2億円になった理由


メールマガジン「毎日1分!英字新聞」は配信部数10万部を超える有名メルマガです。このメルマガを発行している著者が、インターネットを通じて成功したノウハウを余すところなく明かす、というのが本書の売り文句です。
帯には「こんなすごい情報が格安定価で出るなんて!」「書籍化決定直後、インターネット界の起業家たちからクレームの嵐!」と書いてあります。こんなにハデハデしいコマーシャルが本の帯に書いてあると、なんだか誇大広告を自分で告白しているように見えるのですが、出版社の担当編集者は気付かないのでしょうかねぇ。(そんな帯を見て手に取った私が言うのも何なんですが……)


確かに著者は、たった4年で収入がガッポガッポと入るようになりました。「銀行口座に380円、さらに父の借金発覚!」なんていう人生のピンチを乗り越えていますから、現在の成功した姿を、隠そうともしません。「どうです。うらやましいでしょう!」なんていう著者の声が聞えてきそうです。
アフィリエイト、情報販売、出版、翻訳事業などで高収益を上げる著者ですが、その全てのきっかけになったのがメルマガでした。
そのメルマガがどのようにスタートして、どのように生長していったか。部数増のノウハウ。発想法。その全てを余すところなく明かします。……というのは、やっぱり本書のことではありませんでした。そんなおいしい話は、もっとお金を出さないと教えてくれないのです。本書は、著者がインターネットで1冊1万円で販売している小冊子「ザクザク稼ぐメールマガジン」に誘導する撒き餌みたいなもんです。
せっかく本書を手にしたのに、肝心なところは「はい、あと1万円」というのですから、予想通りサギみたいな本です。


でも、書評メルマガを発行している私としては、一ヶ所だけ非常に参考になることがありました。
それは、メルマガ発行者は「理想とする自分を演ずる」ことが大切だ、ということです。
著者は次のように言っています。

ビジネス本についての書評に関するブログを構築したら、あなたは「本好きのただのオッサン」ではなく、「新進気鋭のビジネスブック・レビュワー」となるのだ。「新進気鋭のビジネスブック・レビュワー」としてのあなたは、今後、どのような本を読み、どのような文体でトピックを作成し、どのように人々に受け入れられるように振る舞うべきかを考える。理想とする自分を日頃から演じること。これによって「夢」だった理想が現実となることに気づくことができるだろう。


私も、今日から「新進気鋭のブック・レビュワー」になることにしましょう。
ただのオッサンではなく“新進気鋭”なんですから、これからは、鋭い書評を書いていきます! キエーっとした文章を(汗)……。