残業しない技術


2004年7月刊  著者:梅森 浩一  出版社:扶桑社  価格:\1,050(税込)  97P


残業しない技術


題名を見て、「上司や同僚に気づかれずコソッと帰宅する技術」というコソクな印象を受けます。実際、「早く帰る日はふだんと違う服装で、重要顧客との打合と勘違いさせる」とか、「ホワイトボードの帰着時刻を、少しずつずらして最後はNRにする」という本当に姑息なネタも混ざっています。でも、この本は「サクッと仕事を片付ける技術」について書いた、とても前向きな本です。


外資系(チェース・マンハッタン銀行)で人事部長をしていた著者が21個の「技術」の冒頭で挙げているのは、「仕事で完璧を目指すのをやめよう。80%でもやりすぎ」ということです。「相手から評価されない仕事をいくらやっても意味はない」「あなたのその仕事のやり方は、たんなる『自己満足』ではないですか?」という言葉がグサッと胸に刺さる人も多いのではないでしょうか。
と思えば2番目の「技術」では、「場当たり的な手抜きをすると、同じ仕事を二度することになる。手抜きをするならツボを抑えよ」と補足することも忘れません。
21個の技術を読み終わる頃には、良い意味で「要領よくふるまう」ことの大切さを痛感できます。
「僕って要領悪いんだよねぇ」「まじめすぎるってよく言われるんです」という人には、目からウロコかも。


著者はこの本の後、「サクッと恋愛術」「サクッと転職術」「サクッと出世術」……をシリーズ化したいと言っています。本書は立ち読みでもサクサクッと読み終わってしまう内容ですが、著者のために買ってあげましょう。(私はいつものように図書館で借りました。梅森さん、ゴメンナサイ)