ひげうさぎ先生の子どもを本嫌いにする9つの方法


副題:親と子と教師のための読み聞かせガイド
2004年10月刊  著者:ひげうさぎ  出版社:柘植書房新社  価格:\1,575(税込)  156P


ひげうさぎ先生の子どもを本嫌いにする9つの方法―親と子と教師のための読み聞かせガイド


私は3歳の娘といっしょに絵本を読むのを楽しみにしているので、絵本を紹介する記事や「読み聞かせ」という言葉には敏感に反応してしまう。
「ひげうさぎ先生」は経験20年の小学校の先生で、奥さんのことを“ひめさん”と呼ぶ2人の子供の“パパ”でもある。毎日5分の教室読み聞かせ実践をバックボーンとした本書を読むと、子供たちに本を読んで聞かせることの大切さがよく分かる。


「本嫌いにする方法」というのはもちろん反語であり、「こういうことをすると本が嫌いになるから気をつけてね」という意味である。9つの方法の中には、親としてつい言ってしまいそうになる「その本はもう読んだでしょ」「“よい本”を読みなさい」も含まれており、すごく参考になった。これからは気をつけよーっと。


本題と関係ないが、ひとつだけ驚いたのは、著者が「9つの方法」を教育関係のメールマガジンに連載した時のエピソード。匿名のメールが届き、「お前は何がしたいんじゃ、不愉快なメールやのう。教師なら、そんなやつは不用や、辞めちまえ」と書いてあった、とのこと。著者も「ここまで徹底的に反対に書けば、みなさん笑って読んでくださるにちがいない、よもや誤解されることはあるまいと思っていただけに、たいへん驚きました」と書いていたが、こんな誤解をした上に匿名で品性下劣なメールを送ってくる人が「教育関係メルマガ」の読者だとは驚きである。
この読者も教師なのだろうか。こんな融通のきかない独善的な教師が我が子の担任になったらどうしよう、と不安になってしまう。温厚な著者に成りかわって「お前こそ辞めちまえ」と言ってやりたい。