読書ノート

流星ひとつ

著者:沢木 耕太郎 出版社:新潮社 2013年10月刊 \1,575(税込) 323P ご購入は、こちらから 1979年秋のある夜、ホテルニューオータニ40階のバー・バルゴーで、ひとつのインタビューがはじまった。 引退を表明したばかりの歌手、藤圭子に、ノンフィクション作…

未来予測

副題:ITの次に見える未来、価値観の激変と直感への回帰 著者:湯川 鶴章 出版社:SpikyWave株式会社 2013年6月刊 \1,250(税込) 468KB(P133) ご購入は、こちらから (※ この本は紙の本は販売せず、Kindle版電子書籍のみ販売している) 技術者を応援する「Tec…

小飼弾の失言学

著者:小飼 弾 出版社:洋泉社 2013年11月刊 \1,575(税込) 188P ご購入は、こちらから この本は、編集者さんから送っていただいた「献本」である。 2008年の秋から1年間、月刊「宝島」に隔々月(3ヵ月に一度)で書評を連載していたことがある。 連載タイト…

「すり減らない」働き方

副題:なぜあの人は忙しくても楽しそうなのか 著者:常見 陽平 出版社:青春出版社(青春新書INTELLIGENCE) 2013年4月刊 \860(税込) 189P ご購入は、こちらから もう何度も書いているが、昨年の夏に職場が変わってから、ものすごく忙しい日々が続いている。 …

大・大往生

著者:鎌田 實 出版社:小学館 2013年7月刊 \1,260(税込) 253P ご購入は、こちらから 2010年1月から、鎌田氏は『週間ポスト』で「ジタバタしない」という連載をはじめた。 連載の中から、病について、老いについて、死について書いた原稿を集めて、大幅に加…

バースト! 人間行動を支配するパターン

著者:アルバート=ラズロ・バラバシ/著 青木薫/監訳 塩原通緒/訳 出版社:NHK出版 2012年7月刊 \2,940(税込) 41226P ご購入は、こちらから 人間の行動はどれだけ予測できるのか、というつかみどころのない問題に取り組んだ学者が、大量のデータと格闘…

終わりの感覚

著者:ジュリアン・バーンズ/著 土屋政雄/訳 出版社:新潮社 2012年12月刊 \1,785(税込) 188P ご購入は、こちらから 英国作家の書いた中篇小説である。 主人公は穏やかな隠退生活を送る男。 決して裕福な生活は営んでいないが、趣味でドボルザークを聴いた…

怒れるおっさん会議inひみつ基地

著者:田尾和俊×勝谷誠彦 出版社:西日本出版社 2013年6月刊 \1,470(税込) 326P ご購入は、こちらから 讃岐うどん巡りブームの仕掛け人として知られる田尾和俊氏と、日本テレビ朝の情報番組「スッキリ!!」にレギュラーコメンテーターとして出演している勝谷…

あなたのその苦しみには意味がある

著者:諸富 祥彦 出版社:日本経済新聞出版社(日経プレミアシリーズ) 2013年7月刊 \893(税込) 263P ご購入は、こちらから ちょうど1年前、社内人事異動で職場が変わった。 それまでは、家族と晩ご飯を食べられる時間に帰れたのだが、新しい職場では、毎日…

コリーニ事件

著者:フェルディナント・フォン・シーラッハ/著 酒寄進一/訳 出版社:東京創元社 2013年4月刊 \1,680(税込) 203P ご購入は、こちらから 2011年にドイツで出版され、ドイツ社会に波紋を投げかけた小説である。 ブランデンブルク門の近くにある高級ホテルの…

ウルトラセブンが「音楽」を教えてくれた

著者:青山 通 出版社:アルテスパブリッシング 2013年4月刊 \1,680(税込) 1908P ご購入は、こちらから 「ウルトラセブン」というのは、1967年(昭和42年)10月から翌年9月までTBS系列で放送された子ども向け番組である。 当時7歳だった著者の青山氏は、…

中学受験に失敗しない

著者:高濱 正伸 出版社:PHP研究所(PHP新書) 2013年5月刊 \798(税込) 211P ご購入は、こちらから 年間300冊の本を読む読書家であり、『ひげうさぎ先生の子どもを本嫌いにする9つの方法』の著者であるひげうさぎ先生が、『私立小学校お受験を幸福…

本のチカラ

著者:美崎栄一郎編著 「希望の本棚」プロジェクト 出版社:日本経済新聞出版社 2013年3月刊 \1,575(税込) 237P ご購入は、こちらから 本にはチカラがある。人を元気にするチカラがある、という分かりやすい主題で書かれた本を今日は取り上げる。 この本の発…

冷血 〈上・下〉

書名:冷血 上 著者:高村 薫 出版社:毎日新聞社 2012年11月刊 \1,680(税込) 310P ご購入は、こちらから書名:冷血 下 著者:高村 薫 出版社:毎日新聞社 2012年11月刊 \1,680(税込) 289P ご購入は、こちらから この本を読んでいた4月半ばのこと。 駅から…

少年たちの記憶 中国からの引揚げ

著者:中国引揚げ漫画家の会/編 出版社:ミナトレナトス 2002年6月刊 \8,400(税込) 213P ご購入は、こちらから 今日は、我が家の本棚で一番高額な本を取りあげる。 この本を買ったのは、もう10年以上前のこと。 日本テレビ朝の情報番組「ズームイン」で、中…

とりあたまJAPAN 日はまた昇る!編

著者:西原理恵子・佐藤優 出版社:新潮社 2012年3月刊 \1,155(税込) 141P ご購入は、こちらから 何を言っても3歩で忘れてしまう、と自称する西原理恵子と、お堅い本ばかり書いてきた元外交官の佐藤優がコンビを組んで「週刊新潮」に連載を書いた。 同じテ…

キャパの十字架(その10)

(承前) いくら有名とはいえ、もう75年も前に撮影された写真である。撮影場所が特定できるかどうかも分からないのに、沢木はともかく現地へ飛んだ。まず、この写真について研究してきた先達たちを訪ねて話を訊いたあと、撮影地とおぼしき場所へ足を運び、当…

キャパの十字架(その9)

(承前) キャパの自伝を翻訳したあと、「崩れ落ちる兵士」の真贋問題が気にかかっていた沢木は、いつか実際にスペインへ行って取材をしたい、と思いつづけていた。だが、オリンピックやサッカーワールドカップの取材でヨーロッパへ行く機会はあっても、取材…

キャパの十字架(その8)

(承前) 以上、長々とキャパと沢木耕太郎についての前置きを書かせてもらった。 いよいよ、本書の紹介をはじめることにする。

キャパの十字架(その7)

(承前) 1986年、沢木はキャパの伝記翻訳の依頼を受ける。 自分の英語力に自信はなかったが、日本の誰よりも先にキャパの伝記を読んでみたくて引き受けた。同時にキャパの初の決定版写真集の翻訳もまかされ、キャパの写真を細密に見ながら翻訳をすすめた。

キャパの十字架(その6)

(承前) キャパと僕の“付きあい”、沢木耕太郎と僕の“付きあい”について、前置きが長くなってしまったが、もうひとつ、キャパと沢木耕太郎の“付きあい”についても述べておこう。

キャパの十字架(その5)

(承前) 学生時代の読書が小説中心だった反動なのか、社会人になってからはノンフィクションに手をのばすことが多くなった。 柳田邦男や立花隆などの売れっ子だけでなく、知る人ぞ知る鎌田慧や竹中労の作品も読んでみた。知られていない事実を掘りおこしま…

キャパの十字架(その4)

(承前) 沢木耕太郎とのつきあいは、キャパより少しだけ短い。 最初に読んだのが1984年で、キャパの『ちょっとピンぼけ』読了の2年後だった。 僕の本棚にある沢木耕太郎著作を開いてみたところ、『地の漂流者たち』の最後のページに、「'84 5/5(土) 青函連…

キャパの十字架(その3)

(承前) 久しぶりに本棚からキャパの本と展示会カタログを取り出してみたら、それぞれ、新聞記事の切りぬきが挟まっているのを見つけた。 ひとつは、『ちょっとピンぼけ』文庫本に挟んであった朝日新聞の記事。「『崩れ落ちる兵士』身元判明」との見出しで…

キャパの十字架(その2)

(承前) 世界的に有名な写真家となったキャパの作品は、日本でも数年に一度展示会が開かれている。 その中のひとつ、1997年に新宿三越美術館で開催された「ロバート・キャパ全作品展」は、「第1部 大戦への兆し」、「第2部 戦禍への挑戦」、「第3部 愛と…

キャパの十字架

著者:沢木 耕太郎 出版社:文藝春秋 2013年2月刊 \1,575(税込) 335P ご購入は、こちらから ノンフィクションの大御所、沢木耕太郎の最新刊で、戦場写真家の元祖ロバート・キャパの作品についての謎解き本である。 ロバート・キャパも、沢木耕太郎も、僕にと…

戦略おべっか

著者:ホイチョイ・プロダクションズ 出版社:講談社 2012年7月刊 \1,000(税込) 127P ご購入は、こちらから 信長や秀吉のような能力の高い人間は、やるべきことが多くて忙しい。忙しいゆえに、すぐに自分の助けとなる即効性のあるサービスを常に必要としてい…

7つの動詞で自分を動かす

副題:言い訳しない人生の思考法 著者:石黒 謙吾 出版社:実業之日本社 2013年2月刊 \1,365(税込) 205P ご購入は、こちらから 著者の石黒氏は落ち着きのない人である。 ベストセラー『盲導犬クイールの一生』のような、心にジーンとしみる本を出したかと思…

55歳からのハローライフ

著者:村上 龍 出版社:幻冬舎 2012年12月刊 \1,575(税込) 333P ご購入は、こちらから ことし初めて買った本で、ことし最初に読了した1冊となった。 積ん読本が60冊以上あるというのに、他の本を差しおいて読んでしまうというのは、それだけ読者を惹きつ…

おかんの昼ごはん

副題:親の老いと、本当のワタシと、仕事の選択 著者:山田 ズーニー 出版社:河出書房新社 2012年11月刊 \1,470(税込) 231P ご購入は、こちらから 著者の山田ズーニー氏の肩書きは「表現インストラクター」である。 ベネッセコーポレーションで小論文編集長…