読書ノート

イサの氾濫

著者:木村 友祐 出版社:未來社 2016年3月刊 \1,944(税込) 158P ご購入は、こちらから 東北を舞台にした短編小説である。 主人公の将司は、40歳を過ぎて職を転々としている。 大学を出て小さな出版社や印刷会社に勤め、本に関わる仕事をしていたこともあ…

コンビニ人間

著者:村田 沙耶香 出版社:文藝春秋 2016年7月刊 \1,404(税込) 151P ご購入は、こちらから このメルマガで芥川賞作品を取りあげたことはない。 直木賞が「大衆文芸作品中最も優秀なるもの」に授与されるのに対し、芥川賞は「純文学短編作品中最も優秀なるも…

帰郷

著者:浅田 次郎 出版社:集英社 2016年6月刊 \1,512(税込) 252P ご購入は、こちらから 太平洋戦争が終わって71年。 戦争の語り部は年々少なくなっていく。 「戦争を知らない世代」という言葉も古くなってしまったが、戦争が庶民の日常を破壊してしまうと…

「決め方」の経済学

副題:「みんなの意見のまとめ方」を科学する 著者:坂井 豊貴 出版社:ダイヤモンド社 2016年6月刊 \1,728(税込) 222P ご購入は、こちらから みんなの意見を正しくまとめるにはどうしたら良いか? という疑問を科学的に解きあかす内容である。 7月はじめに…

魂の退社

副題:会社を辞めるということ。 著者:稲垣えみ子 出版社:東洋経済新報社 2016年6月刊 \1,512(税込) 211P ご購入は、こちらから 書名:アフロ記者が記者として書いてきたこと。退職したからこそ書けたこと 著者:稲垣 えみ子 出版社:朝日新聞出版 2016年6…

佐藤優さん、神は本当に存在するのですか?

副題:宗教と科学のガチンコ対談 著者:竹内久美子 佐藤優 出版社:文藝春秋 2016年3月刊 \1,620(税込) 255P ご購入は、こちらから キリスト教信者であることを公言している作家の佐藤優氏と、動物行動学を学び遺伝子や生物について多くの著書を書いている竹…

あなたは、わが子の死を願ったことがありますか?

副題:2年3カ月を駆け抜けた重い障がいをもつ子との日々 著者:佐々 百合子 出版社:現代書館 2016年4月刊 \1,728(税込) 205P ご購入は、こちらから 重い障がいをもつ子と過ごした日々をつづった体験手記である。 2012年8月1日の深夜、軽い前駆陣痛を感じ…

片手の郵便配達人

著者:グードルン・パウゼヴァング/〔著〕 高田ゆみ子/訳 出版社:みすず書房 2015年12月刊 \2,808(税込) 241P ご購入は、こちらから 第二次世界大戦末期のドイツの片田舎を舞台にした小説である。 日本では昭和16年(1941年)12月8日の真珠湾攻撃から太平洋…

その問題、経済学で解決できます。

著者:ウリ・ニーズィー ジョン・A・リスト 望月衛/訳 出版社:東洋経済新報社 2014年9月刊 \1,944(税込) 364P ご購入は、こちらから 人はインセンティブ(ご褒美)で動くものです。 ご褒美をわたすタイミングや種類をくふうすれば、意図したとおりに動い…

ヘンタイ美術館

著者:山田五郎 こやま淳子 出版社:ダイヤモンド社 2015年11月刊 \1,620(税込) 301P ご購入は、こちらから 西洋絵画というと「ちょっと敷居がたかい」と敬遠する人がいますが、本当はおもしろいんですよー。 ちょっと変わった角度から解説してみましょうね…

終わった人

著者:内館 牧子 出版社:講談社 2015年9月刊 \1,728(税込) 373P ご購入は、こちらから 定年後の人生のすごし方を考えさせられる小説である。 主人公の田代は、大手銀行の子会社専務として63歳の定年をむかえた。 最終日のチャイムが鳴ると、クラッカーと花…

おばちゃん街道

副題:小説は夫、お酒はカレシ 著者:山口 恵以子 出版社:清流出版 2015年9月刊 \1,620(税込) 236P ご購入は、こちらから 40代末に作家デビュー、50代半ばで松本清張賞を受賞した著者が、作家になるまでの道のりを中心に、受賞後のテレビ出演の様子、現…

聞き書 緒方貞子回顧録

著者:緒方貞子/〔述〕 野林健/編 納家政嗣/編 出版社:岩波書店 2015年9月刊 \2,808(税込) 309P ご購入は、こちらから 1991年から10年間にわたり国連難民高等弁務官を務めた緒方貞子氏の回顧録である。 緒方氏は、国連難民高等弁務官時代を自身でふりか…

モンローが死んだ日

著者:小池 真理子 出版社:毎日新聞出版 2015年6月刊 \1,944(税込) 500P ご購入は、こちらから NHKの大河ドラマ『真田丸』の放送がはじまった。 僕は大河ドラマをほとんど見ないのだが、脚本担当の三谷幸喜氏は昔からのファンで、出世作の『やっぱり猫が…

チャップリンとヒトラー

副題:メディアとイメージの世界大戦 著者:大野 裕之 出版社:岩波書店 2015年6月刊 \2,376(税込) 2937P ご購入は、こちらから チャップリンが監督・主演し1940年に公開された『独裁者』という映画がある。 当時ヨーロッパで勢力を拡大していたナチスの総統…

言ってはいけないクソバイス

著者:犬山 紙子 出版社:ポプラ社 2015年10月刊 \1,080(税込) 167P ご購入は、こちらから 「クソバイス」という聞き慣れない言葉は、著者の犬山氏の造語である。 「クソバイス」とは何か。 犬山氏の定義は、 求めていないのに繰り出される、クソみたいなア…

その文章、キケンです!

副題:部下の文章力を劇的に上げる79のポイント 著者:小田 順子 出版社:日本経済新聞出版社 2015年8月刊 \1,728(税込) 223P ご購入は、こちらから はずかしくない文章を書きたい、文章を上達させたい! という人は多い。 一方で、自分の文章術を知っても…

ブータン、これでいいのだ

著者:御手洗 瑞子 出版社:新潮社 2012年2月刊 \1,512(税込) 223P ご購入は、こちらから 糸井重里氏が 「意外と重要な本なのではないかと思う。」 と帯に推薦文をよせている。 「意外と……」というのは、ちょっと失礼な言い方だ。 「まあ、たいしたことない…

面白くて眠れなくなる進化論

著者:長谷川 英祐 出版社:PHP研究所 2015年7月刊 \1,404(税込) 219P ご購入は、こちらから しろうと向けに「進化論」をできるだけやさしく説明してくれる解説書である。 「ダーウィン」とか、「遺伝」、「DNA」など、何となく理解しているつもりの言葉…

分類脳で地アタマが良くなる

副題:頭の中にタンスの引き出しを作りましょう 著者:石黒謙吾 出版社:KADOKAWA 2015年10月刊 \1,706(税込) 239P ご購入は、こちらから 著者・編集者として石黒氏は200冊の本を世に送り出してきた。 コミカル系からシリアス系、ロジカル系からエモ…

「昔はよかった」病

著者:パオロ・マッツァリーノ 出版社:新潮社(新潮新書) 2015年7月刊 \799(税込) 221P ご購入は、こちらから よく、「昔はよかった……」と嘆く年寄りがいるけれど、たいていは昔の記憶が美化されているだけ。 昔の社会も昔の人間も、ちっともよくなんかない…

騙されてたまるか

副題:調査報道の裏側 著者:清水 潔 出版社:新潮社(新潮新書) 2015年7月刊 \842(税込) 254P ご購入は、こちらから 調査報道の取材事例を通じて、「自分の目で見て、耳で聞き、頭で考える」ことの大切さ、真相に迫るプロセスを教えてくれる内容である。 悪…

「ドイツ帝国」が世界を破滅させる

副題:日本人への警告 著者:エマニュエル・トッド/著 堀茂樹/訳 出版社:文藝春秋(文春新書) 2015年5月刊 \864(税込) 230P ご購入は、こちらから (昨日からの続き) 2冊目は、フランスの雑誌やインターネットサイトに掲載されたトッド氏へのインタビュ…

グローバリズムが世界を滅ぼす

著者:エマニュエル・トッド/著 ハジュン・チャン/著 柴山桂太/著 中野剛志/著 藤井聡/著 堀茂樹/著 出版社:文藝春秋 2014年6月刊 \896(税込) 246P ご購入は、こちらから 時事ネタとして最近よく耳にする「TPP」と「ギリシャ問題」を深く理解する…

生きるということ

著者:なかにし礼 出版社:毎日新聞出版 2015年6月刊 \1,728(税込) 261P ご購入は、こちらから サンデー毎日の連載を中心にし、新聞掲載のインタビュー2本と闘病記を加えたエッセイ集である。 著者のなかにし礼は2012年3月食道がんであることを発表したあと…

西太后秘録 近代中国の創始者

西太后秘録 近代中国の創始者 上 著者:ユン・チアン 川副智子/訳 出版社:講談社 2015年2月刊 \1,944(税込) 292P ご購入は、こちらから 西太后秘録 近代中国の創始者 下 著者:ユン・チアン 川副智子/訳 出版社:講談社 2015年2月刊 \1,944(税込) 300P ご…

Coyote No.55 特集旅する二人 キャパとゲルダ

副題:沢木耕太郎――追走 著者:沢木耕太郎、ほか 出版社:スイッチ・パブリッシング 2015年3月刊 \1,080(税込) 159P ご購入は、こちらから 前回紹介した『キャパへの追走』の姉妹編である。 えっ? 『キャパへの追走』が『キャパの十字架』の姉妹編じゃなか…

キャパへの追走

著者:沢木 耕太郎 出版社:文藝春秋 2015年5月刊 \1,620(税込) 318P ご購入は、こちらから 2013年2月に刊行された『キャパの十字架』の姉妹編である。 『キャパの十字架』は、おととしこの読書ノートでも取りあげ、その後、第17回 司馬遼太郎賞を受賞して話…

人生の〈逃げ場〉

副題:会社だけの生活に行き詰まっている人へ 著者:上田 紀行 出版社:朝日新聞出版(朝日新書) 2015年4月刊 \821(税込) 212P ご購入は、こちらから このところ、ストレスの少ない生活を送っている。 4月に異動した新しい職場は今のところ残業が少なく、人…

いま生きる「資本論」

著者:佐藤 優 出版社:新潮社 2014年7月刊 \1,404(税込) 251P ご購入は、こちらから 佐藤優にハマッている。 佐藤氏が原稿を書くスピードは早く、矢継ぎ早に出版してくるが、どの本もおもしろい。 新刊を読みおわって、どうやってレビューしようか考えてい…