2013-01-01から1年間の記事一覧

キャパの十字架(その10)

(承前) いくら有名とはいえ、もう75年も前に撮影された写真である。撮影場所が特定できるかどうかも分からないのに、沢木はともかく現地へ飛んだ。まず、この写真について研究してきた先達たちを訪ねて話を訊いたあと、撮影地とおぼしき場所へ足を運び、当…

キャパの十字架(その9)

(承前) キャパの自伝を翻訳したあと、「崩れ落ちる兵士」の真贋問題が気にかかっていた沢木は、いつか実際にスペインへ行って取材をしたい、と思いつづけていた。だが、オリンピックやサッカーワールドカップの取材でヨーロッパへ行く機会はあっても、取材…

キャパの十字架(その8)

(承前) 以上、長々とキャパと沢木耕太郎についての前置きを書かせてもらった。 いよいよ、本書の紹介をはじめることにする。

キャパの十字架(その7)

(承前) 1986年、沢木はキャパの伝記翻訳の依頼を受ける。 自分の英語力に自信はなかったが、日本の誰よりも先にキャパの伝記を読んでみたくて引き受けた。同時にキャパの初の決定版写真集の翻訳もまかされ、キャパの写真を細密に見ながら翻訳をすすめた。

キャパの十字架(その6)

(承前) キャパと僕の“付きあい”、沢木耕太郎と僕の“付きあい”について、前置きが長くなってしまったが、もうひとつ、キャパと沢木耕太郎の“付きあい”についても述べておこう。

キャパの十字架(その5)

(承前) 学生時代の読書が小説中心だった反動なのか、社会人になってからはノンフィクションに手をのばすことが多くなった。 柳田邦男や立花隆などの売れっ子だけでなく、知る人ぞ知る鎌田慧や竹中労の作品も読んでみた。知られていない事実を掘りおこしま…

キャパの十字架(その4)

(承前) 沢木耕太郎とのつきあいは、キャパより少しだけ短い。 最初に読んだのが1984年で、キャパの『ちょっとピンぼけ』読了の2年後だった。 僕の本棚にある沢木耕太郎著作を開いてみたところ、『地の漂流者たち』の最後のページに、「'84 5/5(土) 青函連…

キャパの十字架(その3)

(承前) 久しぶりに本棚からキャパの本と展示会カタログを取り出してみたら、それぞれ、新聞記事の切りぬきが挟まっているのを見つけた。 ひとつは、『ちょっとピンぼけ』文庫本に挟んであった朝日新聞の記事。「『崩れ落ちる兵士』身元判明」との見出しで…

キャパの十字架(その2)

(承前) 世界的に有名な写真家となったキャパの作品は、日本でも数年に一度展示会が開かれている。 その中のひとつ、1997年に新宿三越美術館で開催された「ロバート・キャパ全作品展」は、「第1部 大戦への兆し」、「第2部 戦禍への挑戦」、「第3部 愛と…

キャパの十字架

著者:沢木 耕太郎 出版社:文藝春秋 2013年2月刊 \1,575(税込) 335P ご購入は、こちらから ノンフィクションの大御所、沢木耕太郎の最新刊で、戦場写真家の元祖ロバート・キャパの作品についての謎解き本である。 ロバート・キャパも、沢木耕太郎も、僕にと…

マリガンという名の贈り物

副題:人生を変える究極のルール 著者:ケン・ブランチャード ウォリー・アームストロング 秋山隆英/訳 出版社:創元社 2013年2月刊 \1,260(税込) 214P ご購入は、こちらから 出版社さん、編集者さん、著者さんから書籍をお送りいただく機会が増えましたが…

戦略おべっか

著者:ホイチョイ・プロダクションズ 出版社:講談社 2012年7月刊 \1,000(税込) 127P ご購入は、こちらから 信長や秀吉のような能力の高い人間は、やるべきことが多くて忙しい。忙しいゆえに、すぐに自分の助けとなる即効性のあるサービスを常に必要としてい…

BEソーシャル!

副題:社員と顧客に愛される5つのシフト 著者:斉藤 徹 出版社:日本経済新聞出版社 2012年11月刊 \1,995(税込) 365P ご購入は、こちらから 出版社さん、編集者さん、著者さんから書籍をお送りいただく機会が増えましたが、せっかくお送りいただいても、僕…

あなたを悩ませる「つらい!」人間関係から自由になる本

著者:上村光典 出版社:ソフトバンククリエイティブ 2012年12月刊 \1,365(税込) 255P ご購入は、こちらから 出版社さん、編集者さん、著者さんから書籍をお送りいただく機会が増えましたが、せっかくお送りいただいても、僕の読書スピードが追いつかず、レ…

7つの動詞で自分を動かす

副題:言い訳しない人生の思考法 著者:石黒 謙吾 出版社:実業之日本社 2013年2月刊 \1,365(税込) 205P ご購入は、こちらから 著者の石黒氏は落ち着きのない人である。 ベストセラー『盲導犬クイールの一生』のような、心にジーンとしみる本を出したかと思…

結局「仕組み」を作った人が勝っている

副題:驚異の自動収入システムは今も回り続けていた! 著者:荒濱一 + 高橋学 出版社:光文社(知恵の森文庫) 2013年1月刊 \760(税込) 325P ご購入は、こちらから 出版社さん、編集者さん、著者さんから書籍をお送りいただく機会が増えましたが、せっかく…

55歳からのハローライフ

著者:村上 龍 出版社:幻冬舎 2012年12月刊 \1,575(税込) 333P ご購入は、こちらから ことし初めて買った本で、ことし最初に読了した1冊となった。 積ん読本が60冊以上あるというのに、他の本を差しおいて読んでしまうというのは、それだけ読者を惹きつ…

おかんの昼ごはん

副題:親の老いと、本当のワタシと、仕事の選択 著者:山田 ズーニー 出版社:河出書房新社 2012年11月刊 \1,470(税込) 231P ご購入は、こちらから 著者の山田ズーニー氏の肩書きは「表現インストラクター」である。 ベネッセコーポレーションで小論文編集長…